歌詞の書き方

2011 年 2 月 12 日 | タグ:

最近、ちょっと歌詞の書き方で自身が悩んだりする事が多くあるので
今まで何の気なしにやっていた作業を体系化する為に、上記タイトルで記事を書いてみることにしました。
当時のメモを元に手順を思い出してみます。

題材にするのは、2009年にAltanaphixxさんの『tranquilize tuneD』に提供した、
東雲Lettersという曲です。

基本的に、自身で歌詞を書くときには
曲の一部分(コードなり、メロディーなり)ができた状態で、そのフレーズをループしながら
歌詞を書き進めることが多いです。詞先でも曲先でもないですね。

1:大まかな取っ掛かり(できれば主題に近いイメージ)をいくつか決める
当時曲を提供すると決まった時に、まず初めに考えたことは
「そういえば自分って、あんまりひらがな・漢字の入った曲を書いたことが無かったな」
という事でした。

自分の場合は書くためのとっかかり自体は何でも良くて、とにかく数を出して、
今、頭に思い浮かんでいる『伝えたい事』に対して
一番しっくり来るものを選ぶことが重要になるのかなぁ思います。

そうして色々と考えた結果、言葉の持つイメージから考え始めるのもいいかなという思いに繋がり、
辞書を引いていた所、『東雲』という言葉に当たった訳です。(空の情景が好きということあったので)
東雲の言葉の意味は以下。
東雲とは(wikipedia)

ここでタイトルを決められたらしめたものだと思います。
この段階では、確か東雲という言葉しか決まっていなかったような気がします(うろ覚えですみません

2:取っ掛かりで出たイメージに沿ったシチュエーション、心情を思い浮かべる
1で出てきた取っ掛かりの言葉を元に、どんなに長くなってもいいので
まずはシチュエーションや心情を書き出してみます。
この段階ではまだ歌詞っぽくなくても問題ないです。

ちなみに東雲Lettersでは、こんなメモ書きが残っていました(若干恥ずかしいですが…)

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(ぼんやりとした明かりを握り締め
膝を抱えて目を閉じる
何処かで会いたい 沢山話したいのに
いつまでもそんなことが届けられないまま(長い)

B()
(それでも見せたいものとか見たいものは
変わることがなくて
こうした綺麗な景色なの
その為にまだ走り続けたい

メールでもなんにしろ自身の思いとか気持ちを届ける前に気持ちを伝える前に悩んだりする
(相手との距離を測ったりなんだり)
とかそういう心情をうまく描ければいいね的な話
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ここで最後に書いた『メールでもなんにしろ~』という内容を、曲で一番伝えたい事として据えることにしました。
また、この段階でメールという言葉が出てきた時に、初めて『Letters』という言葉がくっついて、タイトルに相成りました。
ちなみにタイトルに関しても語感を気にしたりしたので、ひらがな、漢字、カタカナ、英語をいくつか並べた上で候補を決定しました。
候補として挙がったのは下記です。

シノノメレターズ
しののめれたーず
東雲レターズ
東雲letters
東雲Letters

(今思えば何でひらがなが候補に挙がっているんろうとは思いますが)

3:シチュエーション、心情を伝える為に言葉をたくさん羅列する
ここまでくれば、シチュエーションや情景はいくつか頭に浮かんでくると思うので、
情景を想像しながら、ひたすら頭に思い浮かんだ言葉を挙げていきます。
語句、文章としてメモに残っていたのは下記です。
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自己嫌悪 自分勝手
思いやり 勘違い
伝える
夜明け前まで手紙の内容で悩む(どうでもいいことで)
綺麗な茜色 あの人に見せたい
勇気
朝焼け 徹夜
カーテン
砂の城

手紙(ないしメール)の内容を悩んでいたら夜が明けてしまった

自分で自分の心を欺くこと。自分の良心に反する言行をすること。自欺。
(恐らく歌詞の中に書いてある『欺瞞』についてのメモだと思います)
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4:羅列した言葉を時系列順にまとめて(可能であれば)、長く書き出したシチュエーションや
情景と合わせて、言葉の長短、言い回しを推敲する

この頃には、曲の型も既に出来上がっていたので、メロディーと相談をしながら
言葉を選んでいきました。
言葉の選び方はとても難しいですが、ある程度ルールを決めておくと、歌詞の内容に含みを持たせることができて
良いと思います。
例えば『同じ言葉を極力2度使用しないようにする』ということ等も、よく言われる手段の一つだと思います。
(ある種苦行かもしれませんが…類語辞典を引きつつ頑張れば意外と何とかなります)
また、ここで歌詞を書いている途中で「サビの最後の言葉を『ろ』に揃えてみたらいいかもしれない」と思ったので
出来上がった歌詞はキレイにそうなっています。

5:出来上がり
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微光を見つめ 膝を抱える私
夢うつつ フラフラと
欺瞞で固めた キレイなお城でただ
心を閉ざすだけで

「傷つくことで 強くなれる」だなんて
今は信じられない  
心のどこか 迷い戸惑うけれど
時間だけ過ぎてゆく

肩を寄せ合い 夜明けを迎えて
綺麗と言って 微笑み合って
その瞬間を 力に変えて
迷って走って もがいて生きたい

照らされる砂の城 
茜色の空に雲の支路
心の行方が何処にしろ
目覚めを染め去る朱と白
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他にも、サビの所で言いたい事をちゃんと言うようにしようとか
技法がいっぱいあると思いますが、一旦ここでお開きにしたいと思います。
(文字数を見ていたら普通にレポートを書くのと大して変わらなかったので…笑)

気が向いたらまた記事に追加しようと思います。

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